結露と換気不良を科学する

換気不良は人の健康を損ねる悪者

空気なしでは生きられない

人が生涯に取得する物質グラフ 空気清浄機が普及したり、酸素バーが流行したりと、空気に対する人々の関心は高まっているようです。水や食べ物は選ぶことはできますが、基本的に空気を選ぶことはできません。もちろん、空気が悪いからと言って吸わずに済ませることもできません。そして、人が生涯に外部から体内に取得する物質のうち、実に83パーセントは空気なのです。そのうちの7割を室内空気が占めています。

大人は一日に体重の半分ほどの重量の空気を呼吸しますが、幼いほど呼吸は活発で、赤ん坊では一日に体重の三倍もの空気を呼吸します。その空気が汚染されているとしたら、ゾッとする話ではありませんか?

室内空気をきれいに保つための基本が、換気です。家の密閉性が向上した現代では、特に換気の必要性は高まっています。住宅の場合だと、一人当たり1時間に必要とされる換気量は30立方メートル程度。これが5人家族だと1時間に150立方メートルという計算になります。この位の換気をすれば、室内の二酸化炭素濃度は1000ppm以下に抑えることができます。
しかし、果たして毎時間きちんとこれだけの換気を行っている家庭が、どれだけあるでしょうか。

  • 関連情報*1:一般住宅で窓を閉めた場合の二酸化炭素濃度

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    換気こそ健康住宅の基本

    換気が適切に行われれば室内の二酸化炭素濃度は1000ppm以下に抑えられるとご説明しましたが、問題は二酸化炭素だけではありません。例えば開放型のストーブを利用すれば室内空気には一酸化炭素が含有される危険性が高まりますが、一酸化炭素は空気中に0.1パーセント含まれるだけでも生命を脅かすことになります。そうしたリスクを低減するためにも、定期的な換気は絶対に必要なのです。

    現代の住宅は密閉度が高く、隙間が減っていて、慢性的な換気不良状態にあります。具体的には床面積120平方メートル程度の住宅で、家族全員がA4の紙1枚分の穴から空気を取り入れている計算になるのです。

    昔は新聞紙1、2枚分ほども隙間がありましたが、今の住宅は機械換気なしではとても健康が保てないほどになってしまいました。

    できてしまった密閉住宅で暮らす一家
    できてしまった密閉住宅で暮らす一家

    では、窓を開ければ十分に換気できるのかと言えば、実は決してそうではないのです。窓開け換気は熱効率が非常に悪く、窓を全部開けても部屋の空気が一巡するに2時間程度かかわると言われています。その上現代では間取りや立地的な制約からも、窓を開けても風が家中に通り抜けるような家は、少なくなりました。

    しかし、機械換気をするとは言っても、一般的な気密性能の住宅では、換気扇の近くの空気だけを排出し、家の中央付近の汚れた空気を排出することはほとんどありません。換気扇をつけても、決して効果的な換気ができるとは言えないのです。

  • 関連情報*2:換気するためには気密が必要

    従って、建てるときから計画的に換気にも配慮した家にする「計画換気」こそ、健康住宅実現の大切なポイントと言えるのです。
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